15歳

中学時代は、8時前に家を出て自転車で学校に向かい、7限目まで授業を受け、それからまた体操クラブに自転車で向かって20時過ぎまで練習をする、という生活を送っていた。土曜日も午前中と夕方の二度の練習があったし、日曜日もお昼に4時間の練習をしていたので、家にいる時間が極端に少なかったと思う。

なのでその頃は両親が壊れていることをさほど気にしなかった上に、かえりみたりどうにかしようとする気力もなかった。

 

中学3年生にもなると、同級生たちはオシャレやブランド物に興味を持ち出した。

夏休みに髪を染めたり、縮毛矯正をしたり。VUITTONのお財布を持っていたり。

私も例に漏れず、中3の終わりにはハイブランドの革製品なんかを欲しがるようになっていた。

たまたま学校で受けさせられた英検準二級に受かったのと、誕生日祝いと、中学卒業とを併せてでいいからBVLGARIのお財布が欲しいと親にせがんだ。

初めは「いらんやろ」と言うだけの母親だったが、気がついたらわたしの欲しがった型の財布を父親と一緒に買ってきていた。

両親のその対応というか反応というかが、普通なのかそうでないのか、私にはわからない。

中高生にブランド物は早いかそうでもないかも、ねだられたら買ってしまうのが悪いのかそうでもないのかも。

 

謝恩会や卒業式、そういった類のものには何の感慨もなかった。しいて言うなれば、この茶番からようやく解放される、と思っていた。

解放なんてされないのにね。