高校〜
D高校に進学した。
入試も面接も何も無かった。
高校受験をする子が周りにほとんどいなかったので、仕組みがどうなっているのかよく知らない。
D高校には週4日通うコースと週1日だけのコースの二つがあった。私たちが進学したのは後者のコースだった。
学校に行かない日はほぼ毎日、午前と夕方の2回、練習があった。
一年生の夏までは自分自身の気分も盛り上がっていたし、北京オリンピックの前年ということで周囲の士気も高まっていたので、とても集中して日々の練習に向かっていた気がする。
実際、その年には新しい技もたくさん覚え、試合でも成功した。いい成績を残して、全日本選手権にも出場した。
でも、それだけのことだ。
私の周りには出場できる年齢になったら引退するまで毎年全日本くらいは出る子がたくさんいたし、優勝だとか連覇だとか、そんなことも普通で、オリンピックに出られるか、そこでどんな成績を残すか、なんかを考えている子が何人もいた。
だから、やっぱり、私は落ちこぼれなんだと思っていた。
今でもそうは思うし、もっと真面目にがんばれば良かったとも思うが、どんなに熱中しても思うような結果がついてこなければ今よりもっと壊れた私になっていたかもしれない、とも思う。それにもし満足のいく結果が出せても、バーンアウトとか色々な問題が待ち受けていたであろうし、そこに関してはまあ仕方がないのかな、と今は落とし所を見つけたつもりである。
その頃の私は、夜に眠れない日が続いていた。
友人たちには「一度無理矢理にでも早起きしたら夜は眠れるようになるよ」なんて言われたが、そんなことはなかった。3時まで眠れない日も少なくはなかった。
原因なんてわからないけれど、漠然と将来が不安でたまらなかったのはとてもよく覚えてる。