限界

18歳で限界を感じた。

ずっとずっと続けてきて、食事をとるのと同じくらい当たり前にあった体操を辞めた。親より一緒にいた仲間たちと離れた。家より長くいた体育館にも足を運ばなくなった。

もうできないと思ったし、行きたくない学校に進学してまでやる意味がわからなかったし、続けてもいいことなんて一つもないと思っていた。

私が行くつもりだった大学の体操部に私たちの代わりに入った子たちは体操もさほど上手じゃないし勉強も私よりできないし、とてもとてもとてもとても嫌な気持ちになった。

どうして?どうして?どうして?

渋々通うことにした短大も、誰でも入れるような所謂Fランだったので、やっぱりつまらなかった。

その頃小学生の頃に塾が同じだった子に再開した。

ずっと勉強をきちんとやり続け、超有名私立中高に受かった彼は賢かったし話していて楽だったし楽しかった。周りの友人たちとも何人か知り合ったが、概して面白く優しく、やっぱり賢かった。少なくとも私にはそう感じられ、やっぱり勉強のできる人間の方が人生有利だなあ、なんて思っていた。

短大は毎日毎日講師や職員に世話を焼かれ続け、周りはメイクや男の話しかせず、内容も薄く、言葉も伝わらず、つまらないなあと思っていた。

やっぱり大学に行こう、と決めたのはおそらく秋頃だった。